DTP屋あかつき@おばなの稼業録。
  【Adobe Illustrator】意外なバンド状問題  2006.08.16.Wed / 19:25 
TrueFlowでIllustratorCSeps画像リンクPDFバンド状問題は問題ないのかしら
(M.C.P.C.-むり・くり-プラスコミュニケーション)

で、紹介されていたバンド状問題ですが、意外なトコで出現したのでエントリにしてみました。

1.透明効果を含むデータを用意します。
060816-01.jpg
こんな感じ。文字部分に「効果」→「スタライズ」→「ドロップシャドウ」を適用してます。

2.「プリント」でPostscriptファイルを書き出す
3.DistillerでPDF化
4.AcrobatのTouchUpオブジェクトツールで全てを選択
060816-02.jpg
▲画像をリンクのままPostscriptファイルを書き出した場合

060816-03.jpg
▲画像を埋め込んでPostscriptファイルを書き出した場合

このように透明効果を使用していて、配置画像をリンクのままPostscriptファイルを書き出した場合、配置画像がバンド状に細切れになります。ネイティブ形式(.ai形式。PDF互換ファイルを含む)をAcrobatで開いても、epsファイルをDistillerに直接投げてPDF化しても同じように画像がバンド状に細切れになりました。また、配置画像がリンクのまま透明効果を使用していているイラストレーターデータは、ネイティブ形式でもeps形式でも、InDesignに貼り込んでPDF化しても(直でもPostscriptファイル経由でも)、配置画像がバンド状に分割されました。

別のデータを同じようにPDF化したものをPhotoshopで画像化(解像度を350dpiに設定)してみると結構大きな隙間になっています。
060816-04.jpg
▲実データを貼り込み、Photoshopにて350dpiでラスタライズしたもの
(Photoshop上で100%表示させた状態でキャプチャーしています)

配置画像を埋め込んで処理した場合はバンド状の細切れも隙間も出来ていません。
060816-05.jpg
▲上記とほぼ同じ箇所のキャプチャー。隙間はありません

Adobeのパブリッシングソフトウェア関連資料にある「透明の手引き」では「(配置しているデータは)埋め込む」とあります。
実は、IllustratorCSあたりから透明効果を使っていても画像を埋め込まなくても適切に分割処理が行われ、出力できるようになったのですが、PDFにする場合などは注意が必要のようです。

個人的な経験では、過去に埋め込み処理せずに出力(フイルム出力含む)しましたが、隙間は認識していませんでした(問題にならなかった)。しかし、PDFでの運用を考えると、透明効果を使用した場合は「画像は必ず埋め込む」のが鉄則と言えそうです。

(2006.08.16 1945 画像追加・一部修正)
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■Profile

尾花 暁(あかつき)

  • Author:尾花 暁(あかつき)
  • 書籍や雑誌などのエディトリアルデザイン・DTPをメインに、職業訓練校などでDTP・製版に関する講義やセミナーも担当。 近著は『+DESIGNING』(マイナビ出版)VOLUME.45「比べてみればよくわかる! ○なデザイン、×なデザイン」(共著)ほか、同誌の特集や連載記事など。1級製版技能士。

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