【Illustrator CSx】「PDF互換ファイルを作成」と「配置した画像を含む」を考える | 2009.10.10.Sat / 17:00 | |||

某件でのネタを作っていて考えついたコト。
「PDF互換ファイル」を含む.ai形式ファイル(ネイティブファイル)では、
・「配置した画像を含む」にチェックを入れなくてもイイかもしれない
・透明効果を使用した場合でも画像を埋め込まなくてもイイかもしれない
今回の件、Illustratorでドキュメントを作成する場合、およびInDesignにIllustratorのドキュメントを配置する場合などでの制作側の利便性の考察がメインで、製版工程での出力の適否は考慮していません(ぉ
#試したところ、InDesignに配置してPS書き出し→DistillerでのPDF化は出来ているので問題は無いと思いますが、印刷会社さんへの入稿時はハウスルールに従ってください。
理由:
画像を含まなくても(互換)PDF内に画像が保持されている
「PDF互換ファイル」にチェックを入れて保存した.ai形式のファイルをAcrobatやプレビューで開くと、画像が配置されたPDFファイルとして開かれます。
開いたPDF内の画像をAcrobatのtouchupツールで開くと、Illustratorで配置した画像と同一サイズの画像を抽出できます(カラー設定はIllustratorの設定に依存)。
なので、「配置した画像を含む」にチェックを入れなくてもPDF互換ファイル内に画像が保持されていると考えられるので、Illustratorのドキュメントに対して「配置した画像を含む」必要はないハズ、と(InDesignで.ai形式のファイルを配置する場合、PDFファイルとして配置される)。
透明効果を使用した場合でも、ドキュメントの保存時にその都度(互換)PDFファイルが生成されるようなので、「画像を埋め込み」する必要もない、ハズ。
一応、ウチの環境では画像を埋め込まずに透明効果を使用しても、Illustratorから/InDesign経由ともにPS書き出し→DistillerでのPDF化は問題ありませんでした。
#作成したPDFをこちらにアップしておきます。
といったワケで「配置した画像を含む」にチェックを入れなくてもイイかもしれない、と考えるに至ったワケですが、さらに「入れない方がイイ」理由(メリット)を挙げてみます。
メリットその1:
.ai形式での保存時に「配置した画像を含む」にチェックを入れると、勝手に画像が埋め込まれる
Illustratorのネイティブファイル運用を行っている場合、リンク画像のフォーマットに関してもeps形式以外のフォーマットを運用しているコトが多いと思いますが、tiff/PSD形式の画像をリンクして「配置した画像を含む」にチェックを入れて保存すると、画像が勝手に埋め込まれてしまいます。


左が作業時。右が保存後にドキュメントを閉じて再度開いた時。
eps形式以外の画像ファイルが埋め込まれています。
Illustratorが勝手に画像を埋め込む場合、画像のバウンティングにあわせて余計なクリッピングを作成するので、後々の面倒の原因になります。
なので、「配置した画像を含む」にチェックを入れないほうが、後の作業がスムーズになるといえます。
ちなみに.ai形式の場合、配置した画像を埋め込まずに透明効果を使用しても画像が勝手に埋め込まれることはありませんでした(CS4で確認)。
また、複数のレイヤーやレイヤーマスクを持つPSDファイルの効果についても、埋め込みをしなくてもきちんと反映されていました。
メリットその2:
リンク状態であれば「Collect for Output」が使える
画像を埋め込んでいなければリンク画像を収集するスクリプト、「Collect for Output」が使用できます。
前にも似たようなコトがありましたが、制作に関わる機能強化だけでなくデータの運用方法も変化していますので、日々勉強していかないと、ですね。